お久しぶりです。もう7月で、2023年も後半に入りますね!
前回の投稿から4か月がたちますが、忘れていたわけではありません。
学業が忙しく更新できていませんでした...
前回までは、曾祖父の遺品から「占守島の戦い」について調べました。
軍歴証明書とは
氏名や階級に加え、軍隊への入隊日時や所属部隊、転戦した地名、除隊(戦死)した場所など、出征中の軍人・軍属の行動を記録した書類。旧陸軍軍人・軍属の記録は兵籍簿、旧海軍軍人・軍属のものは軍人履歴原表と呼ぶ。兵籍簿は軍人・軍属の本籍地のある各都道府県、軍人履歴原表は厚生労働省が保管している。こうした書類の写しが軍歴証明書となる。
出典:産経新聞
曾祖父の本籍地は北海道であったので、以下のサイトを見ながら申請したいと思います。
軍歴証明書の交付について - 保健福祉部福祉局地域福祉課
書類が保管されているかの確認
北海道の場合は、電話またはメールで調べたい人の氏名、生年月日、終戦当時の本籍地(市町村名)を伝えて、保管されているかどうか確認を取ります。
すると、返信のメールが来ました。
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メールに記載のある書類を準備します。
申請書類の準備
戸籍・除籍謄本
軍歴証明書を受け取るには、自身にその権利があることを示す必要があります。
具体的には、戸籍を用いて親族のつながりを示します。
私の場合は、まず、父の戸籍に入っているので、①父の戸籍謄本
そして、②祖父の戸籍謄本と、③曾祖父の除籍謄本です。
除籍謄本とは、その戸籍に入っている人が、婚姻や死亡などで全員抜けてしまった戸籍をいいます。
軍歴照会票
次に必要なのは、「軍歴照会票」というものです。
これは、各都道府県ごとに様式・呼び名が違う場合があるので、それに従ってください。
身分証明書の写し
最後に必要なのは、申請者の身分証明書の写しです。
一般的な身分証明書(運転免許証・保険証・マイナンバーカード等)をコピーして印刷します。
軍歴証明書の申請
2023年2月27日(月)に郵送しました。
軍歴証明書の到着
2023年3月17日(金)に到着しました。
北海道へ陸軍の軍歴証明書を請求し、到着するまで、およそ2~3週間かかりました。
到着した資料
北海道から以下の文書2通が来ました。
これが、牛谷功の軍歴証明書です。
占守島の戦いの時は、海軍の軍属だったので陸軍の軍歴証明書の内容は薄いかなと予想していましたが、かなり簡素なものでした。
また、北海道の場合、軍歴証明書はワープロソフトに打ち直す形式でした。
詳しく見ていきましょう。
軍歴証明書を詳しく見る
叙位叙勲
牛谷功の場合は、叙位・叙勲の項目には何も書かれていません。
牛谷功は、昭和45年に戦没者叙勲を受けていますが、その場合は書かれないんですね。
おそらく、存命中に叙位叙勲、または戦死してすぐに叙位叙勲を受けた場合に、この欄に記載があるものと思われます。
履歴
ここが本命の「履歴」です。
牛谷功は、「軍属」とだけ聞いていましたが、どうやら陸軍では「二等兵」だそうです。
昭和16年の「昭和15年陸支機密第254号」は、調べたところ以下の記述がありました。
陸支機密第254号 補充交代に関する規程中改正の説明事項抜粋
第364部隊 支那事変関@係連隊軍人、軍属等の補充、交代等に関する規定中改正の説明
(「@」は不明な文字を表す。一部改変・省略)
「陸支機密第254号 補充交代に関する規程中改正の説明事項抜粋」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C13010776800、補充交代会同参考 昭和18年6月(防衛省防衛研究所)
詳しくはわかりませんが、軍属であった牛谷功は、この規定の「軍属等の補充、交代等」により召集解除されたと思われます。
また、昭和17年、18年に見られる「簡閲点呼」というのは、コトバンクで以下の記載がありました。
〘名〙 旧日本陸海軍で、予備役、後備役の下士官兵および第一補充兵を短期間召集して、点検、査閲、または教導すること。〔海軍召集条例(明治三一年)(1898)〕
軍属から退いた場合でも、定期的にこのような短期的な召集があるんですね。
最後に
次回は、厚生労働省に請求した、“海軍側”の軍歴証明書について記載したいと思います。
厚生労働省が担当する海軍の軍歴証明書は、請求から到着までかなり時間がかかりますが、すでに到着しているので、近いうちにまた、記事を出したいと思います。
2025年には戦後80年となり、戦争の記憶が薄れていっています。
私は17歳の学生ですが、この研究を通して太平洋戦争の記憶の継承の一助になれば嬉しいです。